私はかなり業界に染まりきってる、ヤバいタイプの元ソープ嬢だ。自分では隠してるつもりでも怪しい行動をする。それを見た周りの人はヒヤヒヤする。時々「それはやらないほうがいいよ」と優しいアドバイスをくれる。
そんな私が暮らしてると、普通の人には考えられない行動をするし、禁止事項がつくられる。そんな妙なハウスルールの一部をご紹介しよう。
お風呂場には危険がいっぱい
私にはお風呂での禁止行為がいくつもある。元々はそんなのは無かったんだけど、子供を産んでお風呂に一緒に入るようになってから、禁止事項がたくさん作られた。作ったのは旦那だ。
私本人は普通のつもりでやってるんだけど、夫が見たらアウトー!ダメー!!って事がいくつもある。些末で、そんなこと?って事がほとんどなんだけど、くだらなくて面白い。
1つ目は、お風呂場で膝をついてはいけない。皆さんはお風呂の洗い場で体を洗ったりする時に、膝をつくだろうか?私はつく。体を洗う時もシャンプーする時も。
立って洗ってもいいんだけど、そうするとお湯が飛び散る。そのお湯が顔にかかると子供は泣く。だから飛び散らないように膝をつく。この膝立ちの姿勢がお風呂屋さん感が出るらしい。
多分膝立ちって姿勢だけのせいじゃないと思う。その格好での動き方が問題だろうけど、仕草を直すより姿勢を変える方が楽だから、膝立ちは封印している。
封印したと言うよりさせられた。目にも留まらぬスピードで大きな椅子を買ってきた旦那は、それをお風呂に設置した。もう膝をつくスペースもない。
一生ボディーソープは泡立てられない
子供がベビーソープを卒業して、私のボディーソープを使いたいって言うから私はそれをせっせと泡立てていた。洗面器いっぱいに熱いお湯とボディーソープを混ぜて、スポンジを使って泡立てていた。
子供はまだリビングに居るし、気を抜いて膝立ちの姿勢で体の横に桶を置いて。後ろで旦那が子供用のタオルとか、着替えの準備をしてくれていた。「ありがとう、そろそろ子供達呼んでー」と言い終わる前に「泡だて、手付きが慣れすぎててプロにしか見えないから、止めようか」と言われてしまった。
これには抗議したけど、意地の悪い旦那はこっそり動画を撮っていた。見てみたら言い返しようが無くて従っている。今は泡で出てくる物がたくさん売ってるから、そんなに不便は感じていない。
でも、それ以来我が家のお風呂には泡立て器を置いている。スポンジが使えないなら泡立て器しか思いつかなかった(笑)泡タイプのシャンプーがもっと増えるまでは、泡立て器で乗り切ろうと思っている。
夫婦生活は料金制
我が家の夫婦生活はチップ制だ。夫婦であるからには、夫婦以上の行為には対価を頂くようにしている。夫から不平が出そうだけど、思ったより好評だ。
元々はそんなことは無かった。誕生日とかボーナスの時に、いつもは一回だけど二回する程度のささやかなグレードアップをする程度だった。でも段々ありがたみが無くなって「何で今日は一回だけ?」とかの不平が出るようになった。
でも普段それを頼まれるのもしんどくて嫌だし、頭にきたから120分フルコースでサービスして「私がこれだけすると◯万円です」と請求書を出したのが始まりだ。その場ではとてもご不満だったみたいだけど「プロの技術にタダ乗りしないで!」と壊れたレコードみたいに言い続けて私は勝った(笑)
今では普通にベッド一回は◯万円、お風呂とベッドの二回は◯万円、お風呂とローション・ベッドの三回は◯万円というメニュー表がちゃんと存在する。金額は毎年会議をして決める。源泉の金額を見て、払えるけど安すぎない金額を電卓を叩きながら話し合う。
でも旦那がゴルフとか旅行で財布のヒモを締めてる時に、泣きの交渉が入る時もある。一回割引をすると、なあなあになりそうだからビタ一文まけないけど。
値下げをするかはかなり難しい。二人で考えて決めたことだから、簡単にひっくり返したくはない。でも行きたくもない会社のコンペの高い会費を払ってるのも知ってると、ちょっとくらい引いてもいいかなーとも思う。
とりあえず決められないけど、気の毒になってポイントカードを作ってあげた。一回につきスタンプ一つ、30個貯まったら何か特典ありの設定にしたけど、まだ特典を思いついていない。
旦那から金を取るなんてけしからん!と思う人もいるかもしれないけど、意外と旦那には好評だ。〇〇をして欲しいって言いにくいから、お金を渡すことでそれを察してもらえるのは都合がいいらしい。
彼は女性慣れしていない。しかも奥手。私と付き合いだした時は39歳。その歳でほぼ童貞という女性への免疫ゼロの人種だ。でも長年見まくっていたAVのおかげで頭の中は願望でパンパンというヤバい旦那なんだけど、口には出せない厄介さは面白い(笑)
普通に考えたらお金を渡す方が恥ずかしいような気がするけど、そこの考え方がちょっと違って、考えを察してもらう代金を払ってる意味合いが強いらしい。もちろん下心はあるし、いい思いもしたい。でも頭の中を黙ってても理解してもらうのにはお金を払う価値がある、って謎理論らしい。理解できないけど。
ここで話したのはほんの一部で、洗面器禁止とか訳のわからないものから、結婚前の仕事を聞かれたら聞こえないフリをするなんてのもある。現実を受け止めたくないから何個あるのか数えるのは拒否する。
バカバカしいと思うし、決めるのは旦那だし言うことを聞くばかりじゃ脳がないって思うこともある。第一、旦那の言うことに素直に従うような女じゃない。でも従ってるのには訳がある。
まだ娘が3歳くらいの頃、私は旦那に言われたルールをガン無視していた。ある日娘をお風呂に入れようとしてると、娘は自分でかけ湯をした、膝立ちで。左手に置いてあったベビーソープを右手で取って、自分の体に塗った。
普通なら「自分でできるのー!すごいねー!!」となりそうなシーンだけど、手の使い方も姿勢も私のミニチュアだった。ボディ洗い前の準備以外の何物でもない。なんの気無しに毎日やってたことを、子供は真似しただけなんだけど。
それ以来どんなバカバカしいと思うルールでも、周りが「ちょっと…」って言ったり反応する事は従うことにした。まぁ、旦那からお金を取ってるけど。まずそこを改めないと商売気質が薄まらない気はするが。
こんな感じで家族と安心して暮らす家の中でも変な緊張感がある。ルールが沢山ある。もう慣れたから苦痛もない。最近は新しいルールが増えてないし、これで良しとしている。