AV作品の中には、あるひとつのコンセプトに特化した作品、いわゆるフェチ心を刺激する内容の作品が存在します。そういったもののひとつに「時間停止もの」というのがあります。
「時間停止もの」はフェチ系AV作品の中でも人気が高く、これまで数多くの作品がリリースされており、シリーズ化されて根強い人気を誇るものまであります。
かくいう私も、時間停止AVが好きで、これまでにリリースされたほとんどの作品を一度は鑑賞していると思います。ただ、中にはがっかりしてしまう作品もあります。
どういうわけか、この手の作品にはコメディータッチで制作されているものが多く、一種のレイプものだと思って見た場合に、あまりのリアリティーの無さにがっかりしてしまうことがあるのです。
そこで今回は、時間停止AVを「リアルなレイプもの」として鑑賞したい人にぴったりなシリーズを、徹底解説してみようと思います。
時間を止められる男「トキトメー松本」
私がこれまでに見た時間停止AVの中で、コメディー感が少なく、レイプ作品として最もリアリティーが高いと感じたのが、『時間を止められる男は実在した!』というシリーズです。
時間を止められる男「トキトメー松本」という伝説の人物が実在するという噂を聞きつけ、捜索を開始した取材班が、ついに本人の居場所を突き止めるというところから話が始まります。
「トキトメー松本」を演じるのは、キモメン男優で知られる杉浦ボッ樹さん。変態オヤジを演じさせたら超一流のこの男優さんが、見事にいい味を出してくれています。
この杉浦ボッ樹さん演じる「トキトメー松本」が次から次へと暴走を繰り広げていくわけですが、彼ひとりのやりたい放題だけで終わるシリーズではありません。
シチュエーション選びにセンスを感じる
「トキトメー松本」にうまい具合に担がれ、レイプに加担してしまう脇役や、松本の知人らしき人物などが、これまたいい味を出しています。また、シチュエーション選びについても、このシリーズにはセンスの良さがうかがえます。
時間停止AVでは、ほとんどの場合、学校や電車、バスの車内がシチュエーションとして選ばれており、被害を受けるのは決まって女子学生たちです。たしかにフェチ心をくすぐる演出ではあるのですが、そればかりだとあまりに一本調子です。
それに比べ『時間を止められる男は実在した!』では、学校や女子学生といったお決まりのシチュエーションだけでなく、一般家庭の主婦やオフィスで働く女子社員、ステージで歌ったり踊ったりしているアイドルなどもレイプ被害の対象になっていて、この種のシリーズとしてはかなりバラエティーに富んだ内容になっています。
そんなバラエティーに富んだシチュエーションの中で、松本の餌食となるのは、彼が疎ましく思う存在、幸福そうに見える女性たちです。部活に励む女子高生、幸せそうな新婚夫婦、年末のカウントダウンパーティーで浮かれる若いカップルなどです。
そんな幸せそうな彼らを見てだんだんむしゃくしゃしてきた松本は、自らの特殊能力で時間を止め、やりたい放題した挙句、何人もの女性たちの膣内に中出しして、時間停止を解除したあとでその場から姿を消してしまうのです。
さらにもうひとつ、他のシリーズと大きく違う点があります。多くの時間停止AVで見られることなのですが、時間が止まっている最中に、女性が変なポーズをとらされたり、明らかに変顔といえる状態で停止させられたりするシーンが多々あります。
はっきり言って全然笑えないですし、変なポーズをしたり、変顔をしている女性を見ても興奮しません。なぜこのような安っぽいコメディー演出をするのか、私には理解できません。
その点こちらの『時間を止められる男は実在した!」では、そういった演出はなく、純粋に楽しめます。
出演女優の質が良い
この種のシリーズで有名女優が出演している作品は数えるほどしかなく、ほとんどがあまり知られていない女優ばかりです。女優のルックスも並以下ということが多いです。学校などが舞台になっている作品では出演者の人数が多くなってしまうため、どうしてもルックスの良い女優の比率は低くなってしまいます。
『時間を止められる男は実在した!』もやはり有名女優は出演していませんが、他のシリーズと比べると、ルックスのレベルはかなりましだと言えます。また比較的、色気のある女優さんが多く出演しているようにも感じます。
前の項目でも述べましたが、時間が停止しているシーンで変なポーズをとらされたり、変顔をさせられたりする演出がないおかげで、生々しさがうまく表現されているのかもしれません。いずれにしても、他のシリーズと比べると、出演女優の質は高いと思います。
緊張と緩和を味わえる巧みな演出
時間停止AVというのは、通常のレイプものとは明らかに違います。本当の意味で抵抗できない状態の女性たちを犯すという、普通ではありえない状況を演出しています。そんな特異な状況を味わえるのが、時間停止AVの醍醐味と言えるでしょう。
時間停止AVにおけるお決まりのパターンとして、時間停止と停止解除が交互におこなわれることがあります。時間が止まった状態でレイプされていた女性が、停止解除によって突如目を覚ますシーンです。
そこで女性はパニックになり、必死に抵抗しようともがきます。これはある種の「緊張と緩和」だと私は思っていて、視聴者がより興奮できる演出になっているといえるでしょう。
ただ、ありがちなのが、短い間隔で頻繁に時間停止と停止解除を繰り返すやり方です。これでは「緊張と緩和」を味わうことができません。
あるていど長い時間停止したあと突如、停止が解除されるからこそ「緊張と緩和」を味わえ、その後の展開に興奮を覚えるのであって、短い間隔で頻繁におこなっていては意味がありません。
このあたりの演出でも、『時間を止められる男は実在した!』は見事に功を奏しています。時間を止める手段が「トキトメー松本」自身の持つ特殊能力なのであって、この種の作品にありがちな時限装置やストップウォッチの類ではないからです。
松本は自分の意思で時間を停止&解除できるわけですが、その一方で、彼が体力を消耗したり、急に持病の発作を起こして停止能力が落ち、自然に解除されてしまう場面があるのです。
この設定は見事だと思いました。松本が発作を起こしたせいで予期せず停止が解除され、その場がパニックに陥ってしまうわけです。
一見単純なアイデアではあるのですが、これを考えついた人はすごいと思いました。これによって作品に見事な「緊張と緩和」が生まれています。
脇役の地味な活躍も見どころ
このシリーズの主役は言うまでもなく「トキトメー松本」ですが、彼の暴走に巻き込まれたり、自らの意思でレイプに加担する脇役の男性陣が必ず登場します。
この脇役の男性陣がかなりいい役回りを演じていて、作品に色を添えています。これまでの抑圧から一気に解放されて欲望をむき出しにする彼らの演技には、主役の松本をも飲み込んでしまうほどの迫力を感じることがあります。
例えば、上で紹介したシリーズ7作目の「超THE REVIVAL※史上最多、被害者数9名―‘夏の青春’をしている部活女子○生たちに中出しレ○プ編」では、そんな脇役の演技が光るシーンに是非注目していただきたいです。
水泳部員の女子生徒に対して密かに恋愛感情を抱くひ弱そうな男性教師が、松本の誘いに乗り、時間停止状態の中、競泳水着姿の女子生徒を犯します。彼女の名前を連呼しながら昇天してしまう男性教師の悲壮感ただよう姿に、なんともいえない興奮を覚えます。
高飛車で横柄な態度の女性教師に恨みを抱いている用務員の男性が、時間停止で動けなくなった女性教師を犯すシーンもあります。この用務員役の男優の演技は作中でもとくに圧巻で、ここでは松本のほうが脇役に徹しています。
「超THE REVIVAL※史上最多、被害者数9名―‘夏の青春’をしている部活女子○生たちに中出しレ○プ編」はシリーズ最高傑作と言っても過言ではありません。
主役、脇役、女優陣すべての演技がどれも魅力的で、最初から最後まで興奮が冷めることがありません。とくに時間停止シーンで感じる女優陣の生々しさが最高です。是非とも見ていただきたい、おすすめの作品です!
時間停止という異空間
普通のレイプ作品とはあきらかに違う「時間停止AV」。身動きが取れない、本当の意味で無抵抗の女性を犯すという、現実にはありえないシチュエーションで展開される、まさに異空間を表現したAV作品。
もしかすると、ラブドールを愛好する男性の中には、この「時間停止」に近い感覚を味わっている人もいるのかもしれないなぁと、私は考えます。
しかし、生きている生身の人間を「時間停止」という異空間の中で欲望の赴くままにレイプする感覚は、やはりAV作品という映像を通してしか味わうことのできないものだと思います。
この二次元の異空間を楽しめるのが、時間停止AVの一番の醍醐味ではないでしょうか。AV業界のみなさんには、これからもさらに魅力的な作品を制作していってもらいたいです。
これはラブドールですか?
最後に、ちょっと余談です。
時間停止AVの中に、若菜奈央さん主演の『時間停止リベンジ中出し ~DQNが集まる同窓会で糞ビッチに復讐射精!』という作品があるのですが、この作品を見たとき、私は若菜奈央さんの演技に驚かされました。
時間が停止しているシーンでは、女優はまばたきせず無表情を演じています。しかし長回しのシーンだと、どうしても我慢できなくなってまばたきしてしまう女優はいて、これは時間停止AVあるあると言ってもいいかもしれません。
ところが『時間停止リベンジ中出し ~DQNが集まる同窓会で糞ビッチに復讐射精!』での若菜奈央さんは、一切まばたきしないのです。どんなに長回しのシーンでも、彼女はずっと目を開いていて、表情も変えず、微動だにしないのです。
あまり長く目を開いていると、目が潤んできて涙が出てくるものですし、まぶたがわずかに動いてしまったりするものです。
若菜奈央さんは、なぜあんなに長いあいだ目を開いたままでいられるのでしょう。ひょっとすると、長回しのシーンでは、彼女そっくりのラブドールを使っているのではないか。私はそんなことまで考えてしまいました。
それとも、長回しのように見えて、じつは頻繁にカットを入れながら撮影し、あとで自然な感じにフィルムをつなぎ合わせているのでしょうか。
そのあたりの事情をご存じの方がいらっしゃれば、是非とも教えていただきたいです。